〜 告白 〜
 第二章
〜 神羅カンパニー・シリーズ 〜
<8>
 ジェネシス
 

 

 

 ミッドガル・エリアの外れには、大規模なウータイ民族の集落もある。

 すべてのウータイ地方の住民が、反神羅とはいわないが、周辺の少数民族を巻き込んで、大きな戦闘になったことが、過去何度か発生しているそうだ。

 

 それゆえ、辺境地域の生態調査や、モンスター駆除に、人員を割きにくくなっている。

  過激派ゲリラに、トップソルジャーが狩り出されると、未知のモンスターへの対応が難しくなる。

 本部が兵器開発部門と、生態総合研究所に、大きな予算を付けているという話は耳にしていたが……

 人工知能を備えた兵器……いってみれば、人造人間か。

 そんなものを研究していたとは。

 予算の部分までは興味があっても、無粋な兵器が何であるかまで、いちいち調べるほどには関心がなかったのだ。

 

「事情はわかった。公にはしにくい話だな。それこそ人道にも悖る」

 俺はきつい口調で、ラザードに言い放った。

「上層部の決定事項だ。今回の一件で、人工知能の可否については議論されようが、対モンスター用兵器の必要性は君たちにもわかるだろう」

「だったら、俺たちにもっとどんどん仕事を振ればよかろう! 兵器なんてモンは、モンスターだけでなく、自然環境も一緒に破壊するんだ!」

 アンジールが強く主張した。

 今でさえ、ほとんど休みをとっていないくせに、これ以上働くというのか?

「いやいや……我が親友の言い分はわかるけどね。過労死しちゃうよ。それに俺は有給休暇は大切にしたいからね」

「ジェネシス! おまえはソルジャークラス1stとしての……」

「わかったわかった。その話はまた後でな」

 と、軽くアンジールをいなし、再度、統括に向かった。

 

 

 

 

 

 

「いずれにせよ、一体の人型兵器に、タークス近衛部隊が敵わないわけだ。このまま放置しておけば、それこそ死者が出る騒ぎになる。いや、今でさえ手遅れかも知れないけどね」

「……上層部から、今回の一件の真相は、社内秘扱い……関係者には徹底的に口止めしろと命令があった」

「上層部上層部っていうけどね。君も十分上層部の一員なんじゃない? なんせ軍事部門、最大級組織の人事統括なんだから」

「わ、私の上には部門長らがいる……!」

「うん、君と話していた五分間、無駄になった」

 目を白黒させているダメ人事から、くるりと踵を返し、プラべート用の携帯電話をひょいと持ち上げた。

「アンジール、ザックス、ヤツは七番街で姿を消した。スラムに入り込まれると、確実に死者が出る。急ごう」

 と、呼びかけた。

 兄弟にも見える彼ら二人は、俺の両脇を全力で走り抜けていった。

 俺もその後を追う。

 

 一度だけ、振り返り、呆然と突っ立っている統括に声を掛けた。

 

「市街地には医療班を増やした方がいいだろうね。タークスに負傷者有。住民の十余名が意識不明だそうだ」

「な、な、なんで……」

「オトモダチが多いんだよ、俺は。君と違ってね」

 

 まだ何か言いたげな統括を置き去りに、今度は本気で走った。