In the middle of summer
〜コスタ・デル・ソル in ストライフ一家〜
<14>
〜18禁注意〜
 クラウド・ストライフ
 

 

 

 

 

「……ッ! よせ、おい!」

「上手くなったよ、俺。……セフィに教えてもらったんだよね、コレ」

 俺は、骨張った華奢な脚を、ぐいと押し広げた。

 セフィロスは普段、裸のままで眠る。ヴィンセントの姿になってからは、ローブ一枚を身につけるようになったが、下着はつけていない。

 

「……やめろッ! クラウド!」

 追いつめられた『ヴィンセント』の声が、俺を煽る。

 一重をまくり上げ、今はまだ、力無くうなだれているそれに触れる。

 

 俺は何の躊躇もなく、身を乗り出し、それを口に含んだ。

「…………ッ!」

 彼が喉の奥で呻く。

 

 俺も同じ男だから、こうされると、どれほどキモチイイのかよくわかっている。

 羞恥心の強いヴィンセントは、この行為がキライだ。

 するのはともかくされるのを断固として拒否する。もう何度も肌を重ねているにもかかわらず、絶対に嫌だというのだ。

 もっとも、腕力で敵わないわけだから、結局最後は俺の為すがままになるわけだが。

 

「……ひどく浅ましい自分を見せつけられるようで……」

 

 『なぜそんなに嫌なのか』と訊ねたとき、そんなふうにヴィンセントが答えた。

 そもそも、心と肉体の欲求を満たす行為なのだから、浅ましく乞い求めて当然だと思うのだが、俺の最愛の人は人並みならぬ恥ずかしがり屋だ。

 だからこそ、身も世もなく乱れる様を見てやりたくなるわけだが……そんなことはめったにない。

  

 『ヴィンセント』……セフィロスの息が上がる。

 いつもするように、先端を舌で刺激し、徐々に滑らせ、喉の奥まで迎え入れた。

 唾液をからませ、わざと音をたててしゃぶる。

 

 すると、彼の白い顔が真っ赤になり、涙のにじんだ瞳を隠すことと、こぼれ落ちる喘ぎを堪えるため、両手で顔を覆ってしまうのが常だった。

 だが、セフィロスは、ぐいと俺の髪を掴み、股間から引き剥がそうと力を入れた。

「痛ッ……痛いよ、セフィ。『ヴィンセント』はそんなことしないってば」

「くそっ……このガキが……」

「どうしてだよ、これ、教えてくれたのセフィロスだろ。上手くできるまで何度もさせたじゃないか」

「バカがッ……無理やりされるのとでは訳が違うだろうッ」

「……無理やりじゃないよ……気持ちいいんでしょ」

「どけッ!ガキ! ぶん殴られたいかッ!」

 セフィロスが凄む。

 本物の姿なら、そんなふうに怒鳴りつけられたら、さすがにひるんでしまいそうだ。

 だが、どう見ても紅い瞳のこの人は『ヴィンセント』だし、彼の姿でいくらセフィロスが叫んでも、俺には怖いとは感じられなかった。

 

「……よしてよ。『ヴィンセント』はそんなこと言わないって言ってるだろ?」

「黙れッ! このオレの言うことが……」

「まだわかんないの?」

 突き放すようにオレは言った。

 目を瞠りこちらを見るセフィロス……いや、『ヴィンセント』。

「アンタは今『ヴィンセント』でしょ。……俺の方が強いよ」

「…………ッ!!」

「大丈夫。おとなしくしてれば、ちゃんとイかせてあげるよ、『ヴィンセント』」

「くッ……こ、この……ッ!」

 逃げを打つ細い身体を抱きしめ、もう一度口づける。ひどく暴れるので、薄い肌の感触を楽しむことはできない。

 だが、こんな『ヴィンセント』を見るのは初めてだった。

 野生動物さながらに紅い瞳が爛々と輝き、射殺すように俺をにらんでいる。ギッと強く噛み締めた口元、縺れて逆立つ髪が、悪鬼のような有様だ。

 

「暴れないでって言ってるのに。……このままだとアンタだって苦しいだろ」

 俺はさきほどの愛撫で、すでに勃ち上がりつつあった彼の分身に触れた。

「くッ……」

 細腰をよじって逃げ出そうとするが、筋の浮き出た足首を、ぐいと捕らえ引き寄せる。

「うぁッ!」

 悲鳴を上げて『ヴィンセント』の身体がベッドに沈んだ。もはやほとんど役目を果たしていないローブを剥ぎ取ると、彼の身体に覆い被さった。

 

「くそッ! ど、どけッ……!」

 『ヴィンセント』……セフィロスの抗議を無視して、露を含んだそれをもう一度嬲る。口腔に含み、舌をからませると、今度は拍子抜けと言えるほど、あっけなく彼の力が抜けた。

「くッ……はぁッ……はぁッ……!」

「……動きすぎて、息が苦しいんだろ? 『ヴィンセント』は体力ないんだから」

 俺は、白い頬を上気させ、荒い息を吐く『ヴィンセント』を眺めて、小さく笑った。

 さすがに限界が近かったのだろう。

 固く張りつめたそれを、歯と舌で刺激してやると、びくびくと細い身体が痙攣する。我慢強いところは、本物のヴィンセントと同じだ。

「うッ……くッ……」

 最後の矜持だとでもいうのか、彼は未だに一度も悲鳴を上げていない。

 

 解放を促すために、先端の最も敏感な部分を甘噛みする。

 セフィロスは手の平で口を押さえて嗚咽をこらえた。

 だがもう限界など、とうに通り越しているはずだ。本物のヴィンセントなら、とっくに果てているところだろう。

「強情だなぁ」

 多少辟易として、俺はつぶやいた。

「くッ……貴様のようなガキに……」

「それ、『セフィロス』に戻ってから言ったら?」

 俺は多少意地悪くそう言ってやった。

「……覚えておけよ……ッ! このクソガキ……ッ!」

 セフィロスが『ヴィンセント』の瞳で俺をにらむ。

 

「だって、ほら……もう、限界だろ?」

「……くッ……!」

 『ヴィンセント』の身体が、びくりと反応した。

 もはや解放を待つばかりに張りつめたそれを、片手で押し包み、俺は『ヴィンセント』の顔を覗き込んでやった。

 できれば果てるところを見届けてやりたい……そんな酷いことを考えて。

 

 身を伸び上がらせた俺を、避けるように『ヴィンセント』が腕を振った。

 それが片手で重心を支えるほうの、俺の肩にぶつかった。

「あッ……!」

 行為に夢中になっていた俺は、あっけなくバランスを崩し、出窓の縁に片手をついた。